小5になると、理科の成績が一度大きく落ち込むお子さまが増えてきます。特につまずきが集中するのが、次のような単元です。
- 中和
- 気体の発生
- 電流
- 浮力
これらの単元では、計算問題の比重が一気に増えます。「理科なのに計算が出てきた」「なんとなく暗記だけでは解けなくなった」——そんな違和感を覚えるお子さまも少なくありません。
しかし、ここで大切なのは「才能」や「センス」ではありません。ポイントさえ押さえれば、十分に立て直せる時期です。今回は、その理由と具体的な対策を解説します。
なぜ小5後半でつまずくのか
小4までの理科は、暗記中心でも何とか乗り切れる部分がありました。しかし小5のこの時期からは、
- 知識を使って
- 状況を想像し
- 数値を処理する
という3段階のステップが求められるようになります。これまでの「覚えれば解ける」学習法では対応できなくなるため、成績が急に落ちたように見えるのです。
裏を返せば、正しいステップを踏めば必ず立て直せるということでもあります。ここでは2つのポイントに絞ってご紹介します。
ポイント①:まずは”知識”。知識がなければ土俵に立てない
小5理科でまず押さえておきたいのは、計算問題も結局は知識ありきだという点です。
「計算が苦手だから理科ができない」のではなく、必要な知識が頭に入っていない状態で計算をしようとしているケースがほとんどです。
たとえば中和の単元では、以下の点が曖昧なままだと、正しく計算式を立てることができません。
- 酸性・アルカリ性とは何か
- 塩酸や水酸化ナトリウム水溶液の溶質は何か
- 中和すると何ができるのか
これは気体の発生にも同じことが言えます。水素・二酸化炭素の発生と、酸素の発生とでは、反応の構造がまったく異なります。この違いを理解しないまま計算だけを覚えようとしても、少し問題の条件が変わるだけで対応できなくなってしまいます。
理科の計算問題は、次のような構造になっています。
算数の計算力 + 理科の知識 = 理科の計算問題を解く力
算数の力だけでも、知識の暗記だけでも不十分です。まずは「必要な知識をきちんと押さえる」ことが、立て直しのスタートラインになります。
ポイント②:「具体的なイメージ」を持てるかどうかが分かれ道
小5理科が難しく感じられるもう一つの理由は、目に見えないテーマが一気に増えることです。
- 水溶液の中で何が起きているのか
- 電流がどこをどう流れているのか
- 力がどの向きに働いているのか
テキストや黒板には書いてあっても、それが頭の中で映像として再生できていない——これが「分かったつもり」の状態を生み出します。
中和は、その典型例
中和の問題で特によくあるつまずきが、次の違いです。
- 「塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を加える」
- 「水酸化ナトリウム水溶液に塩酸を加える」
文字だけを見ると似ていますが、ビーカーの中で実際に起きていることはまったく別物です。
- どちらが先にビーカーに入っているのか
- どちらを少しずつ加えているのか
- 途中で液性はどう変化していくのか
- 水溶液内の固体(塩など)の構成はどうなっているか
これらをビーカーの中の様子として頭の中でイメージできるかどうかで、理解度は大きく変わります。
「今、ビーカーの中はまだ酸性だな」「そろそろ中性に近づいてきたな」——こうした感覚を持てるお子さまは、計算問題でも判断を誤りにくくなります。逆に、式だけを立てて数字だけを処理している状態だと、条件が少し変わっただけで解けなくなってしまうのです。
「計算ができない=理解していない」ではないことも多い
小5理科で点数が下がると、「うちの子は理解力が足りないのでは」と心配される保護者の方も多くいらっしゃいます。しかし実際には、
- 知識の整理が追いついていない
- イメージを持つ練習が足りていない
このどちらか、あるいは両方であるケースがほとんどです。理解力そのものの問題ではないケースが大半なので、必要以上に不安を感じる必要はありません。
だからこそ、次の2点を意識することが立て直しの近道になります。
- 用語・性質・反応をひとつずつ丁寧に確認する
- 図や実験の様子を頭の中で再生する練習をする
この2点を意識するだけで、理科は一気に「分かる科目」に変わっていきます。
まとめ:小5理科は「暗記」から「理解」への分かれ道
小5後半の理科は、つまずきやすいと同時に、正しい方法で取り組めば立て直しやすい時期でもあります。ここで踏ん張れたお子さまは、小6の理科がとても楽になります。逆に「よく分からないまま」進んでしまうと、後で取り戻すのに大きな負担がかかってしまいます。
焦らず、「知識」と「イメージ」——この2つを意識しながら、一歩ずつ進めていきましょう。
もし「うちの子はどこでつまずいているのか分からない」「単元ごとに丁寧に見てほしい」という場合は、お気軽にリブライトまでご相談ください。お子さまのつまずきポイントを見極めながら、無理のないペースで立て直しをサポートします。


