【中学受験算数】豊島岡女子中の過去問から見る、情報の解析力の重要さ

中学受験算数において、上位層とそれ以外の子どもたちを分けるものは何か——その答えの一つは、「問題文からどれだけ情報を読み取れるか」という力にあります。

今回は、豊島岡女子学園中学校の2026年度入試問題を題材に、この「情報解析力」がどのように問われているのかを具体的に見ていきます。(一部表現を変更しています)

目次

問題文を読む

【問題】

2以上のある整数に対して、以下のような操作を行う。

【操作】 この整数を割り切る最も大きい素数から、この整数を割り切る最も小さい素数を引いた数を求める。

例えば30=2×3×5なので、30にこの操作を行うと3になる。9や11の場合は、これらを割り切る最も大きい素数と最も小さい素数が同じなので、この操作を行うと0になる。

一見すると、これは単に「操作のルール」を説明しているだけの文章に見えます。しかし、上位層の子どもたちはこの短い説明文から、驚くほど多くの情報を拾い上げています。

「結果が奇数か偶数か」に着目する

まず素数を書き出してみましょう。

2, 3, 5, 7, 11 …

ここで重要なのは、2以外の素数はすべて奇数であるという事実です。この一点から、「最大の素数-最小の素数」の偶奇を推測する道が開けます。

操作結果が奇数になる場合

結果が奇数になるには、「奇数-偶数」という形が必要です。素数の中で偶数となるのは2のみですから、最小の素数が2であるとき、つまり元の数が偶数であるときに限られます。

したがって、「操作結果が奇数であれば、元の数は偶数である」ことが導けます。

操作結果が偶数になる場合

一方、「奇数-奇数」の形であれば結果は偶数になります。この場合、最小の素数は奇数、つまり元の数は奇数ということになります。

したがって、「操作結果が偶数であれば、元の数は奇数である」ことがわかります。

「9や11」の例示が意味するもの

問題文にはわざわざ、「9や11の場合は…0になる」という一文が添えられています。この一文こそ、見逃してはならない重要な情報です。

11については比較的わかりやすいでしょう。素数そのものは「最も大きい素数」と「最も小さい素数」が一致するため、差は0になります。

では、9はどうでしょうか。9は素数ではなく、9=3²です。つまりこの例示は、

  • 「素数そのもの」だけでなく
  • 「素数のべき乗」でも結果が0になる

ということを、さりげなく示してくれているのです。実際、8=2³、27=3³、125=5³なども同様にすべて0になります。この規則性に気づけるかどうかが、後の解答スピードと正確性を大きく左右します。

上位層は「説明文」自体を情報として読んでいる

ここが最も重要なポイントです。

問題を「操作の意味を理解する」「計算して終わる」だけで処理してしまうのは、非常にもったいないことです。上位層の子どもたちは、次のような視点を常に持っています。

  • なぜこの例が挙げられているのか
  • この説明は何を示唆しているのか
  • この条件から、他に何が導けるのか

つまり、問題文を「読む」だけでなく、能動的に「解析」しているのです。この姿勢の差が、そのまま得点力の差につながります。

実戦では、解きながら気づくことも多い

もちろん、最初からすべての規則性を見抜く必要はありません。むしろ実際の入試現場では、

  • 小さい数で試してみる
  • 表を書いて整理する
  • そこから規則を探す

といった試行錯誤の過程の中で、「偶数と奇数に法則がありそうだ」「0になるのは素数のべき乗のときか」と、途中で気づいていくケースの方が多いのが実情です。

大切なのは、「問題文の中に核心となるヒントが必ず埋め込まれている」という意識を、日頃から持たせておくことです。

「情報を読み取る力」こそが算数の核心

難関校の算数では、複雑なテクニックや難解な公式そのものが直接問われるケースは、実はそれほど多くありません。少なくとも、私自身は指導の中でほとんど見たことがありません。

それよりも重視されているのは、

  • 条件を丁寧に整理する力
  • 例示の意味を深く考える力
  • 小さいケースから一般化する力

といった、いわば「情報処理力」です。

この力は、決して特別な才能によるものではありません。**「問題文を丁寧に観察する習慣」と、「論理を構築するプロセスを言葉にするトレーニング」**を積み重ねることで、着実に培われていくものです。

問題を見た瞬間に反射的に式を書き始めるのではなく、一度立ち止まって「この問題文の本質は何だろう」と考える——その一呼吸の差が、最難関校の算数においては、合否を分けるほど大きな差となって現れます。

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この記事を書いた人

生徒・保護者から圧倒的な支持をいただく実力講師
元早稲アカの熱血派の先生です!
圧倒的な指導力で、第一志望合格に導く。
間江先生のプロフィールページはこちら!
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