サピックスの組分けテスト、四谷大塚の合不合判定テスト、早稲アカのNN入会試験。この時期は範囲のないテストが続きます。
そして毎年、決まってこんな相談をいただきます。「テスト前は何を勉強させればいいでしょうか」と。
範囲が示されないぶん保護者の方は不安になります。何を選べばいいか分からないからこそ、つい手当たり次第になってしまう。ですがこの手当たり次第こそ、成果の出にくい勉強法です。
今日はやってはいけない勉強と、私が現場で勧めている勉強を理由とあわせてお伝えします。
やってはいけないこと① 過去問を何年分も解く
範囲がないなら、とりあえず過去問。そう考える方は多いですし、気持ちもよく分かります。ただ私はあまり勧めません。
範囲のないテストは出題分野が広いので、過去問を解いても「できなかった単元をその場で少し復習する」で終わりがちです。昨日は割合、今日は水溶液、明日は歴史と、毎日違う単元をつまみ食いする状態になります。
一見たくさん勉強しているようで、どの単元も中途半端。やった量のわりにできるようになった実感が残らないのは、このためです。
やってはいけないこと② あわてて新しい単元を進める
時間があるうちに予習シリーズを先へ。これもこの時期には勧めません。
新しいことを学ぶのはもちろん大切です。ただテスト直前という限られた時間で優先すべきは、新しい知識を増やすことではなく、すでに習った内容で確実に点を取れるようにすることです。
目的があいまいなまま先へ進むと、新しい単元も中途半端、復習も手つかずという、いちばんもったいない結果になりがちです。
私が勧める勉強法
私が生徒に伝えているのはとてもシンプルです。苦手な単元を一つだけ決めて、その一つを徹底的に仕上げる。
比、場合の数、電流、天体。何でも構いません。一週間あれば一単元なら確実にレベルアップしたと言えるところまで仕上げていけます。
「仕上げる」とはどういう状態か
ここがあいまいだと結局つまみ食いに戻ってしまいます。仕上げたと言える状態を具体的にしておきましょう。
- 基本問題を解き方に迷わず最後まで解ける
- なぜその式になるのかをお子さん自身の言葉で説明できる
- 一度間違えた問題を日を空けてもう一度解いて正解できる
保護者の方が難しい問題を教える必要はありません。「この前まちがえた問題、もう一回やってみて」と声をかけ、説明できるかどうかを聞く。それだけで仕上がり具合は十分に確認できます。
決めた単元が出なかったら
もちろんその可能性はあります。それでも私はこの方法を勧めます。
出題されれば大きな得点源になりますし、出題されなくても仕上げた単元は入試本番までお子さんの武器として残ります。反対に「何が出るか分からないから全部を少しずつ」という勉強は、出ても出なくてもどの単元も武器になりません。
範囲のないテストだからこそ、勉強に一本の軸を通すことが大切です。
「みんなと同じ」より「その子に必要なこと」
私は生徒一人ひとりの成績を見ながら、今いちばん伸ばすと効果的な単元を選んで課題を決めています。同じ組分けテストに向けても、速さに取り組む子、平面図形に取り組む子、植物に取り組む子と、やることはバラバラです。
ご家庭でも直近のテストを見返して、いちばん失点している分野を一つ選ぶ。それが課題の決め方の第一歩です。
まとめ
範囲のないテスト前に勧めたいことは、たった一つ。「一つを、徹底的に」です。
- 過去問を何年分も解くより、苦手な単元を一つ仕上げる
- 新しい単元をあわてて進めるより、確実に点を取れる単元を増やす
- 「全部を少し」ではなく「一つを徹底的に」
範囲がないからこそ、勉強にも軸が必要です。この一週間で一つ、お子さんが「これは得意」と言える単元を増やしてみてください。



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