理科的な分野
社会的な分野
記述の書き方 パターン攻略
事実→増えたor減った→解釈
この三つを書けばOK。
「事実」とは、当たり前すぎること・資料に書いてあることをそのまま書く必要がある。
「私は資料のこの部分を見れていますよ」と採点者にアピールする必要がある。
そのくらいわかるでしょ、と省略してはいけない。
例えば次の問題。まずは事実だけを書いてみよう・
「米は1960年には48.3%、1970年には36.7%、2006年には23.4%%になっている。」
第一段階はこれでOKだ。
次は「増えたor減った」を書こう。
グラフや表の変化は、基本的に次の5種類に分類される。
①増え続けている
②減り続けている
③増えてから減った
④減ってから増えた
⑤変わらない
このどれかを書けばOKだ。
今回の米は「減り続けている」なので、つなげるとこうなる
「米は1960年には48.3%、1970年には36.7%、2006年には23.4%となり、減り続けている。」
同様に肉についても書いてみよう。
「肉は1960年に44.3%、1970年には47.8%、2006年には49.5%となり、増え続けている」
こんな感じだ。面倒に感じるかもしれないが、適性検査の記述とはこんな感じです。
嫌がらずにしっかり全部書きましょう。書いたら書いただけ加点です。
最後に「解釈」だ。
これはそんなに鋭い解釈を入れる必要はない。
「日本人の食生活が欧米化し~」なんてことは、特に誘導が無い限りは書かなくて大丈夫。
今回の場合は「米を食べる割合が減り、代わりに肉などを取る割合が増えた。」のように当たり前の結論・解釈だけでOK。
適性検査の記述は、客観的に絶対に正しいと言える範囲のことを書けば大丈夫。
「米は1960年には48.3%、1970年には36.7%、2006年には23.4%となり、減り続けている
肉は1960年に44.3%、1970年には47.8%、2006年には49.5%となり、増え続けている
米を食べる割合が減り、代わりに肉などを取る割合が増えた。」
応用編①「〇倍」や「〇%」など、数字を入れられる所はドンドン入れよう
基本編では「増え続けている」だけでOKとしたが、応用編では「どのくらい増えたの?」を数値で表すとなお良い。
今回であればこんな感じ。
「米は1960年には48.3%、1970年には36.7%、2006年には23.4%となり、約0.48倍に減った。
肉は1960年に44.3%、1970年には47.8%、2006年には49.5%となり、約1.11倍に増えた。
米を食べる割合が減り、代わりに肉などを取る割合が増えた。」
応用編② 何の? を明確に書こう
上の解答例でも十分なのだが、更に高得点を目指すのなら
「米は1960年には~~」と書かれている部分。
米の何なの??? 重さ? おいしさ? 作付面積??? というツッコミが考えられる。
いや、気持ちは分かるよ。
供給熱量についての表を見て話してるんだから、当然供給熱量の話題に決まっとるやろがい!!!
と言いたい気持ちはよく分かるんだが、適性検査の記述ではそこまで丁寧に書いてあげないといけない。
なので
「供給熱量の割合についてみると、
米は1960年には48.3%、1970年には36.7%、2006年には23.4%となり、約0.48倍に減った。
肉は1960年に44.3%、1970年には47.8%、2006年には49.5%となり、約1.11倍に増えた。
米を食べる割合が減り、代わりに肉などを取る割合が増えた。」
これがベスト回答だ。
問いと答えを一致させよう!!
問題文の指示に、完璧に対応するように答える必要があります。
例えば
「かずおさんは①のように言っています。ハムとベーコンの二つのグラフの移り変わりを見て、その関係について気づいたことを書きなさい」
→「その関係について」です。ハム単体、ベーコン単体の特徴だけではなく、何らかの関係があるということを示さねばなりません。
もう一つの例
「資料4から、森林にはどのような働きがあると言えるのか書きなさい。また、そのはたらきは、どの様な自然災害から私たちの生活を守ることにつながっているのか書きなさい」
と言われたら、答えの形式は決まっています。
答え「森林には~~~~~~というはたらきがある。このはたらきは、~~~~という自然災害から私たちの生活を守ることにつながっている」
のように、完全に問いと答えを一致させます。
もう一つ例
「最高気温日数と最低気温日数の差に注目して、「昭和8年から22年」と「平成5年から平成9年」を比べて分かることを書きなさい。
→最高気温に数と最低気温日数の差は、昭和8年から22年は〇日だが、平成5年から平成9年は〇日と差が縮まっている。このことから、東京の寒暖差が小さくなっていることが読み取れる。
主語を書こう!!
これは絶対ではないけれども、習慣づけておくと良いことです。
例えば例題「日本の米の生産量はどの様に変化しているか。資料1を参考に、1980年と2000年を比較して答えなさい」
悪い答案「減っている」
少し主語が入って、やや良い答案「1980年と比べて2000年は減っている」
忘れがちだけど、最大の主語を入れた答案「米の生産量は、1980年と比べて2000年は減っている」
最も安全で最高の答案「日本の米の生産量は、1980年と比べて2000年は減っている」
こんな感じです。
日常会話なら「減っている」だけでも通じるでしょう。だって質問者が「日本の米の生産量は」と言っているのですから、回答者も当然それについて話しているに決まっています。
でも、適性検査の答案ではそれは通用しません。
きちんと「私は日本の米の生産量について話していますよ!」と明確に伝わるように書いた方が、安全です。
書いて減点と言うことはあり得ないので、書いておいた方が得です。
もしかしたらそこまで丁寧に書かなくてもマルがもらえるかもしれませんが、テスト本番の現場でそこを判断するのは無理なので、安全策として多めに丁寧に書いておいた方が良いですよね。書きましょう
書く順番・切り口
例えば次の情報を記述で書くなら、どんな順番が考えられるだろうか?
| 国名/年 | 2000 | 2010 | 2020 |
| 日本 | 95 | 98 | 102 |
| アメリカ | 121 | 114 | 109 |
第一案
日本では、2000年には95人、2010年には98人、2020年には102人だった。一方で、アメリカでは2020年に121人、2010年に114人、2020年に109人だった。
第二案
2000年、日本では95人に対してアメリカでは121人だった。2010年は、日本が98人に対してアメリカが114人だった。2020年は日本が102人に対してアメリカが109人だった。
縦で切っているか横で切っているかで、二通りの各順番が考えられるのが分かるだろうか?
基本的にこれはどちらでもいい。
ただ、書きたい結論がある場合は、適した方を使いたい。
例えば
「日本は増え続けているが、アメリカは減り続けている」と書きたいなら第一案の書き方が良い。
「すべての年において、アメリカは日本を上回っている」と書きたいなら第二案の書き方が良い
言いたい結論に応じて順番を考えられるようになったら上級者。
「あなたの考えを書きなさい」で斬新な発想は求められていない
適性検査には「あなたの考えを書きなさい」という問題がよく出ます。
例えば
資料1,2,3をもとに、日本のごみ問題を解決するためにはどんな方法が考えられるでしょうか?あなたの考えを書きなさい」
こんな問題です。
ここで、本当にゴミ問題を解決する、素晴らしい社会的な施策を考え出す必要はありません。
と言うか、そんなものは考えられません。もしそんな妙案があるなら、大人が既に考え付いて実行しています。
入試の時間内に、まさか本当に社会問題を解決させる妙案を考えさせようとしているわけではありません。
適性検査が求めているのは、もっと簡単なことです。
資料を基に、当たり前に読み取れる情報を基に、毒にも薬にもならないようなふわっとした案を書けばそれでOKです。
例えばこんな問題だとします
次の資料1,2を参考に、日本のゴミ問題における課題点を一つ挙げ、その解決策を考えよ。
【資料1】
→家庭から排出されるゴミの、内容別の割合がかかれたグラフ。
生ごみ48%
プラスチックごみ30%
ペットボトル10%
ビンカン8%
その他4%
【資料2】
プラスチックごみの内訳
容器包装プラスチック 52%
使用済み製品 30%
粗大ごみ 5%
その他のプラスチックごみ13%
割合の計算は、面倒がらずに速攻でやろう!
割合の計算を面倒がっている場合ではありません。
適性検査において、割合計算はストレスゼロで速攻でやる必要があります。
例えばこんな問題
「1980年には37562kgだったが、2000年には48321kgになった。何%増加した?小数第二位を四捨五入して求めよ」
のような問題。これは特にストレスなく、30秒ほどで求められる必要がある。
そのため、大きな数同士のわり算の練習をしておきましょう。
考え方:どう考えてもプラスチックごみについて書いてほしそうな匂いがしますよね。
だって資料2はプラゴミの内訳なんですから。
だから、問題点は「プラスチックごみが多いこと」くらいにしておきましょうか。
では、プラゴミが多いことを解決する方法は、どうしましょうか?
そんなスゴイ方法じゃなくていいです。例えば
「各種業界団体と協力し、プラスチック使用料に応じた付加金制度を導入し、企業の自発的努力によるゴミ削減を狙う」のようなすごそうな方法を考える必要はありません。確かに解決するかもしれませんが、こんなのを書いても、点数はもらえません。それは政治家の仕事です。
資料2から当然に読み取れることを書けば十分です。
資料2から読み取れることと言うと……
「容器包装プラスチックが多いな」でOKです。そんな当たり前のことでいいの!?と思ったでしょうか。良いんです。
この程度の読み取りで大丈夫です。
さて、「容器包装プラスチックが多いので減らす」という方針で書こうと思いますが……
減らすにはどうしたらいいの?
真面目な受験生はそう考えてしまうかもしれません。
でも安心してください。
誰も小学生にそこまでちゃんとした対策を求めていません。
「容器包装プラスチックが多いので、お菓子などで個別包装の商品を減らすようにしていく」
でも、これでOKです。
もしかしたらこう思うでしょうか。 ええ!?これじゃ解決になってないやん!どうやって減らすかが難しいのに「減らしていくようにする」ってなんも解決してないやん!
これでいいんです。このくらいのことが言えていれば、十分合格点が来ます。
個別包装をなくして大袋にしたら、一度空けたら全部食べ切らなきゃいけない。もし食べ残した分は食品ゴミになるから、結局ゴミ問題は解決しないんじゃ…… なんて考えなくていいんです。とりあえず資料と整合性が取れていて、論理的に大間違いが無ければそれでマルです。
頻出の社会問題は網羅しておこう!
適性検査社会は暗記・知識が比較的不要だと言われますが、それでも最低限の社会知識は必要です。
例えば……
ゴミは減らしていきたいよね
リサイクル・リユース・リデュース
農業や林業の変化
外国人旅行者
食料自給率・食料輸入
フードマイレージ
食品ロス
高齢社会
二酸化炭素排出量と温暖化
再生可能エネルギー
水問題
など。これらのテーマについて、何が問題となっていてどんな意見が主流なのか。一通り知っておいた方が良いでしょう。
グラフや図表の読み取り方
単位に注目!
グラフなら(万人)や(t㌧)や(年)や(人)など
何についてのグラフなのか、必ず単位がついています。
算数のグラフと社会のグラフで異なるのは、人数が(千人)だったりするのです。
例えば、グラフの数値が30で、単位が千人であれば、それは30千人。つまり3万人ということです。
何についてのグラフか? 凡例を見よう!
折れ線グラフでは、必ず上か下の隅に凡例(はんれい)がついています。
まず真っ先に凡例をチェックし、何についてのグラフなのかを確認しましょう。
どのように変わったか? は基本5パターン!
「どのように変わったか?」と聞かれた場合、基本の5パターンに当てはめて書けばそれで十分です。
①上がった
②下がった
③上がって下がった
④下がって上がった
⑤変わらない
二つのグラフの比較・関連
比例「こっちが増えればこっちも増える」
比例「こっちが増えているのにこっちは減ってる」
材料費は増えているのに販売価格は下がっている など


コメント