「小5で算数の偏差値が40前後。このまま塾の授業についていけるのか不安です」
小5の秋から冬にかけて、特に増えるご相談です。
先に結論をお伝えすると、偏差値40前後で止まっている小5の多くは、理解力が足りないのではなく、計算の正確さと、4年生〜5年前半の単元の「穴」が原因です。立て直しは、塾の進度を追いかけるのをいったん緩め①穴を特定する→②さかのぼって埋める→③テストで取るべき問題を確実に取る、の順で進めるのが近道です。通っている塾の教材や進度を踏まえつつ、学年をさかのぼって教え直してくれる個別指導塾があれば、立て直しがスムーズに進むと思います。
偏差値40前後で止まる小5に多い原因
小5の算数は、割合・比・速さなど中学受験の中心単元が一気に出てくる学年です。ここで偏差値40前後にとどまる場合、原因はだいたい次の4つのどれか、またはその組み合わせです。
1. 計算に時間がかかり、ミスも多い
テストの前半の計算問題や一行題で時間を使い、後半に手が回らない。分数・小数の計算でミスが出て、考え方は合っているのに点にならない。体感、偏差値40前後の生徒で最も多いのが、このパターンです。
2. 4年生〜5年前半の単元に穴がある
算数は積み上げの教科です。分数の扱い、単位の換算、和差算のような基本の文章題に穴があると、その上に積み上がる割合・比・速さで崩れやすくなります。小5の後半に急に成績が下がった場合は、今の単元ではなく、その前の単元に原因があることも。
3. 宿題を全部やろうとして消化不良になっている
塾の宿題は幅広い成績の生徒が取り組む前提で課されています。偏差値40前後の子が全部やろうとするとどれも中途半端になり、基本問題すら定着しない、なんてことも考えられます。
4. 「分かった」で止まり、自分で解けるところまでいっていない
授業では分かったつもりでも、一人では解けない状態です。詳しくは「解説を聞くと分かるのに一人では解けない子へ」の記事で触れています。
基礎から立て直す順番
立て直しは、今の単元を頑張るよりも、順番を守ることが大切です。
- 弱点を特定する:直近のテストを見直し「計算ミス」「考え方が分からない」「時間切れ」のどれで落としているかを分けます。考え方が分からない問題は、どの学年のどの単元につながっているかをたどります
- 計算を毎日の習慣にする:1日10〜15分、量より正確さ重視で続けます。ここが安定するだけで、偏差値が数ポイント上がることも珍しくありません
- さかのぼって埋める:穴のある単元に戻り、基本問題が一人で解けるところまでやり直します。全部ではなく、今の単元に必要なところから優先します
- 取るべき問題を確実に取る:テストでは、正答率の高い基本問題を落とさないことを目標にします。偏差値40から50への道は、難しい問題を解けるようになることよりも基本的な問題を取り切ることです
家庭でできること
- 宿題の範囲を絞る:基本~標準レベルの問題を優先し、応用問題は一旦後回しにして構いません。先生に相談して決めることができると安心です。
- テスト直しは「正答率の高い問題」に絞る:正答率50%以上で落とした問題から直します。全問直すのはコスパが悪いです。
- 成績よりも「取れた問題」をほめる:この時期は自信を失いがちです。偏差値よりも、前回落としたタイプの問題が取れたことに目を向けてください。
ただ、どこに穴があるかの特定と、どこまでさかのぼるかの判断は、家庭だけでは難しい部分です。ここを任せられる指導者がいると、立て直しはぐっと早くなります。
基礎の立て直しに合う個別指導の選び方
偏差値40前後からの立て直しでは、今の単元を教えるだけでなく、穴を見つけてさかのぼれるかが一番の判断基準です。体験授業や面談では、次の点を確かめてみてください。
- 最初にテストやノートを見て、どこでつまずいているかを具体的に言ってくれるか
- 必要なら前の学年の内容までさかのぼって教えてくれるか
- 通っている塾のテキストと進度を知ったうえで、宿題の取捨選択まで提案してくれるか
- お子さんが自信をなくしているとき、接し方を合わせてくれるか
- 担当講師が固定で、継続して習熟度を見てくれるか
| 形式 | 偏差値40前後からの立て直しとの相性 |
| 集団塾のみ | 進度が決まっているため、前の学年にさかのぼる時間は取りにくい。下のクラスでも宿題量は大きく変わらないことが多い |
| 個別指導(学生講師中心) | 宿題の質問対応には向くが、穴の特定や学年をまたいだ立て直しの設計は講師により差が大きい |
| 個別指導(プロ講師・担当固定)/家庭教師 | 穴の特定→さかのぼり→今の単元への接続を、一人の講師が設計できる。通塾先の教材に詳しいかは確認を |
集団塾は続けながら、立て直しの部分だけを個別指導に任せるご家庭も多くいらっしゃいます。
私が基礎を立て直すときにやっていること
私が算数・理科を担当しているプロコベ塾Librightでは、成績や性格を理由に生徒をお断りすることはありません。偏差値40前後からの立て直しは、私たちが日常的に取り組んでいるテーマの一つです。
私自身が意識しているのは、次のようなことです。
- 体験授業は「診断」に使う:テストやノートを一緒に見て、目の前で解いてもらいます。どこで手が止まるかを見ると、穴の位置はだいたい分かります
- さかのぼるときも、今の単元とつなげる:「4年生の内容をやり直す」だけだと、子どもは後戻りしている気持ちになります。「来週の割合で使うから、ここだけ確認しよう」と伝えるようにしています
- 考え方に名前をつける:「スキだらけ問題」「同じものに注目する」のように名前をつけると、基礎が弱い子でも次の問題で思い出しやすくなります
- 「やらない問題」を一緒に決める:宿題やテストで今は飛ばしていい問題を決めます。これだけでずいぶんご家庭での学習が楽になります
早稲田アカデミーで10年、個別指導塾で6年教えてきて感じるのは、偏差値40前後の子の多くが「できない」のではなく「やることが多すぎて整理できていない」だけ、ということです。
一方で、立て直しには段階があります。「次のテストですぐに偏差値を大きく上げたい」「基礎は飛ばして難関校の応用問題をやりたい」というご希望には、この進め方は合わないことがあります。
偏差値40前後は、立て直しのスタート地点です
小5で算数の偏差値が40前後というのは、決して手遅れではありません。原因の多くは計算の正確さと、前の学年の単元の「穴」にあります。①弱点を特定する→②計算を毎日の習慣にする→③さかのぼって埋める→④取るべき問題を確実に取る、という順番を守れば、テストでの点の取り方は着実に変わっていきます。
大切なのは、今の単元の宿題を全部こなそうと焦ることではなく、「どこでつまずいているのか」を正しく知ることです。穴の位置が分かれば、やるべきことは驚くほど絞り込めます。お子さんにとっても「何をすればいいか分かる」こと自体が、自信を取り戻す第一歩になります。
私は新宿のプロコベ塾Libright(リブライト)で、こうした基礎の立て直しに日々向き合っています。「どこに穴があるのか見てほしい」「宿題をどこまでやればいいか相談したい」という段階でも構いません。保護者の方だけのご相談も受け付けていますので、お子さんの今の様子をぜひ一度お聞かせください。


