夏になると、テレビやスマホのニュースで「熱中症警戒アラート」という言葉をよく見かけますね。 「なんだか大変そうな名前だけど、実際どういう意味なんだろう?」と思ったことはありませんか。
このアラートのしくみを知っておくと、暑い日の過ごし方に気をつけられるだけでなく、中学受験の時事問題や理科の対策にもつながります。今日は、この「熱中症警戒アラート」について説明していきます。
熱中症警戒アラートとは
熱中症警戒アラートは、気象庁と環境省が発表している情報です。「明日はとても危険な暑さになりそうです。熱中症に気をつけてください」と、みんなに気づいてもらうために出されます。
発表されるタイミングは、だいたい次の2つです。
- 危険な暑さが予想される日の前日の午後5時ごろ
- または、その日の朝5時ごろ
「今日、外で遊んでも大丈夫かな?」と思ったときは、このアラートが出ていないか確認する習慣をつけるとよいですね。
さらに2024年からは、これまでにないレベルの危険な暑さが予想されるときに発表される、一段上の「熱中症特別警戒アラート」もつくられました。都道府県の中のすべての地点で、とても高い暑さ指数が予想されたときに出される、特に警戒レベルの高い情報です。
アラートのもとになっている「暑さ指数(WBGT)」
このアラートを出すかどうかを決めているのが、暑さ指数(WBGT)という数値です。
「暑さの指数なら、気温だけで決めればいいんじゃないの?」と思うかもしれません。でも実は、私たちが「暑い」と感じるかどうかには、気温だけでなく湿度や日ざしの強さも大きく関係しています。同じ気温でも、湿度が高い日のほうがずっと蒸し暑く感じますよね。
そこで暑さ指数は、次の3つの温度を組み合わせて計算されています。
- 乾球温度(かんきゅうおんど)……ふつうの温度計が示す「気温」
- 湿球温度(しっきゅうおんど)……温度計の先をぬれたガーゼで包んで測る温度。湿度の影響がわかる
- 黒球温度(こっきゅうおんど)……黒くぬられた金属の球の中に温度計を入れて測る温度。日ざしなどの熱の影響がわかる
この3つ目の「黒球温度」が「黒い球」の正体です。黒い球は日光をよく吸収するので、日なたでの暑さの感じ方をより正確に表すことができるのです。

計算式はこうなっている
暑さ指数(WBGT)は、この3つの温度を次のような式で組み合わせて計算します。
屋外(日ざしのある場所)の場合
暑さ指数 = 0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度
屋内(日ざしのない場所)の場合
暑さ指数 = 0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度
数字だけ見ると難しそうですが、注目してほしいのは湿球温度の割合が0.7といちばん大きいことです。これはつまり、暑さ指数を計算するうえで「湿度」がもっとも重要な要素になっているということです。「気温はそれほど高くないのに、なんだかとても蒸し暑い」と感じる日は、この湿度の影響が大きいのですね。
ちなみに暑さ指数の単位は気温と同じ「℃」を使いますが、気温そのものとは違う数値なので、混同しないように「℃」をつけずに表すのが一般的です。
どのくらいの数値であぶないの?
暑さ指数が28を超えると熱中症になる人が急に増えるといわれており、そして熱中症警戒アラートは、暑さ指数が33以上になると予想されたときに発表されます。数字が大きくなるほど、体への負担も大きくなっていくとイメージしておくとよいでしょう。
中学受験生のみなさんへ
熱中症警戒アラートは、ここ数年くり返しニュースで取り上げられている、まさに「今」の時事問題です。理科の知識としても、社会の時事問題としても出題されやすいテーマなので、次のポイントはおさえておきましょう。
- 熱中症警戒アラートは、気象庁と環境省が発表していること
- 暑さ指数(WBGT)は、気温・湿度・輻射熱(日ざしなどの熱)の3つから計算されていること
- 黒球温度は、日ざしの影響(輻射熱)を測るためのものであること
- 2024年からは、さらに危険度の高い「熱中症特別警戒アラート」も導入されたこと
ただし、知識を覚えることと同じくらい大切なのは、みなさん自身が暑い日をしっかり乗り越えることです。勉強をがんばる夏だからこそ、こまめな水分・塩分補給、エアコンの活用、そして無理をしないことを忘れずに過ごしてくださいね。
暑さに負けず、コツコツと積み重ねていきましょう。応援しています。


