「授業では分かった」のに家で手が止まる中学受験生|原因と、家庭・塾でできること

「解説を聞くと分かるのに、一人では解けない」

中学受験の算数・理科を16年教えてきて、保護者の方から最も多くいただく相談の一つです。

先に結論をお伝えすると、これは能力の問題ではなく「解き方を聞く練習」はしていても「解き方を自分で選ぶ練習」が足りていない状態です。解決には、家庭での復習の仕方を変えることと、授業の中で「一人で解ける」まで確かめてくれる指導を受けることが効果的です。

目次

なぜ「聞けば分かるのに一人では解けない」のか

解説を聞いて分かるのは、誰かが選んでくれた道筋を後からたどれる状態です。一人で解くには、その道筋を自分で選ぶ必要があります。この差を生む原因は、主に次の3つです。

1. 初動を自分で決めた経験が少ない

解説は、必ず正しい一手目から始まります。でも実際の問題では、図を描くか、式を立てるか、表にするかを自分で決めなければなりません。解説を聞くだけの学習では、この「決める」練習がすっぽり抜け落ちます。

2. 解説に書かれていない「ゼロ行目」がつかめていない

解説の1行目の手前には、必ず「なぜその解き方を思いつくのか」という前提があります。私たちLibrightの講師は、これを「解説のゼロ行目」と呼んでいます。たとえば「この条件が出たら比で考える」「この形の図形はここに補助線を引く」といった判断です。講師は無意識に使っていても、解説にはまず書かれません。ここが抜けたままだと、解説は理解できても、初見の問題で同じ発想が出てきません。

3. 「なるほど」で止まり、再現できるかを確かめていない

説明を聞いて納得した瞬間、子どもは「理解した」と感じます。ところが1週間後に同じ問題を出すと手が止まる、ということは珍しくありません。

以前担当した小6の生徒も、平面図形の難問で解説を聞き「分かった!」と言うのに、テストになると白紙に近い状態でした。一緒に解き直してみると、取るべき初動が間違っていることが多いことが発覚しました。解法選択のトレーニングを積み、毎回なぜその解法を選んだのか本人に説明してもらうようにしたところ、2か月ほどで初見の問題にも正しくアプローチできるようになりました。

家庭でできること

家庭での復習の仕方を少し変えるだけで改善することもあります。

  1. 解説を閉じて解き直す:解説を読み直すと、また「分かった」気持ちになるだけです。解説を見たら、閉じてもう一度自分で解かせてください
  2. 「どうしてそうしたの?」と聞く:正解したときこそ、最初の一手をなぜ選んだのかを説明してもらいます。
  3. 時間をおいてもう一度:3日後、1週間後にもう一度同じ問題を解きます。そのとき解ければ、本当に身についています
  4. 答えを言いたくなっても待つ:手が止まっても、すぐにヒントを出さず「どこまで分かってる?」と聞いてみてください

ただ、4つ目は保護者の方にとって一番難しいところです。どこで待ち、どこでどの程度のヒントを出すかは、問題とお子さんの状態によって変わります。家庭だけで難しいと感じたら、この部分を任せられる指導者を探すのが近道です。

このタイプの子に合う塾・個別指導の選び方

大切なのは「説明が分かりやすいか」より、授業の中でお子さんがどれだけ自分で考えているかです。体験授業では、次の点を見てみてください。

  • 講師がすぐに答えを言わず、問いかけながら考えさせているか
  • 「なぜその解き方を思いつくのか」まで説明しているか
  • 解説の後に、お子さんが一人で解き直す時間があるか
  • 一度で伝わらないとき、別の角度から説明し直しているか
  • 担当講師が固定で、家庭学習の進め方まで伝えてくれるか

形式ごとの向き不向きは、おおむね次のとおりです。

形式このタイプの子との相性
集団塾授業で「分かる」まではいけるが、一人で解けるかの確認は家庭任せになりやすい。集団塾は続けつつ、復習を別でサポートする形が現実的
個別指導(学生講師中心)質問はしやすいが、解説を丁寧になぞるだけになると「分かった」止まりになりやすい
個別指導(プロ講師・担当固定)/家庭教師子どもの反応を見て、待つ・問いかける・説明し直すの判断ができるため相性が良い。ただし講師の力量差が大きいので、体験授業で確認を

集団塾に通いながら、プロ講師の個別指導で「分かった」を「解ける」に仕上げるご家庭も多くいらっしゃいます。

私が授業で大切にしていること

私がいま算数・理科を担当しているプロコベ塾Librightは、「分かったつもりで終わらせない。一人で出来るを育む指導」を全講師の共通方針にしている塾です。私自身、早稲田アカデミーで10年、個別指導塾で6年教えてきましたが「聞けば分かるのに解けない」子に一番効くのは、結局この一点だと感じています。

具体的には、授業でこんなことを意識しています。

  • まず黙って解いてもらう:どこで手が止まるかを見るのが、指導の出発点です
  • 止まった一歩だけを問いかけで補う:全部を解説せず「この条件、前にも見たことない?」のように、つまずいた一歩だけを本人に考えてもらいます
  • 考え方に名前をつける:「もとにする量を探す」「同じものに注目する」のように、使った考え方に名前をつけます。名前がつくと、初見の問題でも「あ、あれだ」と思い出せるようになります
  • 最後は本人に説明してもらう:説明できたら、何も見ずに類題を解いてもらいます。ここまでできて、はじめて「分かった」から「解ける」になります

Librightの卒業生が「先生が答えを言わないで、自分で答えを導き出すのがよかった。解き方を知れたから」と書いてくれたことがあります。教える側としては、これ以上うれしい言葉はありません。

一方で、この授業は「短時間で解き方だけ教えてほしい」というご希望には合いません。考える時間を大切にする分、1問にかける時間は長くなるからです。

この記事を書いた人

間江(まえ) プロコベ塾Libright 算数・理科担当。早稲田大学理工学部出身。中学受験指導歴16年(早稲田アカデミー10年、個別指導塾6年)。早稲田アカデミーでNN志望校別・必勝講座を担当。「考え方に名前をつけ、初見問題にも使える力へ」をモットーに、新宿の教室とオンラインで指導しています。

プロコベ塾Libright(リブライト) 東京都新宿区にある、中学受験専門・完全1対1のプロ講師個別指導塾。担当講師固定、オンライン対応。

「うちの子もこのタイプかも」と感じたら、保護者の方だけのご相談も受け付けています。

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この記事を書いた人

生徒・保護者から圧倒的な支持をいただく実力講師
元早稲アカの熱血派の先生です!
圧倒的な指導力で、第一志望合格に導く。
間江先生のプロフィールページはこちら!
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